jevodan
著者アベル・シュヴァレイ
訳者高橋正男
発行2003年9月
定価1922円(税抜き)
仕様四六判/並製/232頁
ISBN978-4-88588-019-3
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ジェヴォーダンの人食い狼の謎

  

【内容】
栄光を極めたルイ王朝も15世の時代に入ると戦乱や失政が相次ぎ、国民の怨みの声は全土を覆った。旧体制がきしみはじめ、フランス大革命が間近に迫った18世紀半ば過ぎのことである。フランス南部・ジェヴォーダン地方に世にも恐ろしい事件が頻発した。子どもや女たちが次々に凶暴な怪獣(ベート)に食い殺され、山あいの貧しい村々を恐怖のどん底に陥れ、フランス全土を震撼させた。ルイ15世は3度にわたる討伐隊を派遣し、巨大な狼を殺してベートを退治したと宣言したが、ベートは死ぬどころかさらに殺戮を続けた。ついに土地の猟師がベートを殺した。が、これも狼だった。ベートの目撃者たちは狼に似ているが狼ではないと証言していた。3年間に100人以上の人間を食い殺したベートははたして死んだのか。旧教と新教、宮廷と田舎貴族と土地の有力者、王の狩猟隊と土地の漁師の抗争が、この異常な事件に彩りを添える。ベートの話は、フランス人が赤頭巾ちゃんと同じくらい親しんでいる実際にあった話。フランスではベートに関する著作はたくさん出ているが、本書は十代でこの事件に遭遇した人物の手記をもとに書かれたものである。
 
【目次】
第1章 ベートと領主
第2章 ベートとドラゴン
第3章 ベートとオオカミ狩猟家たち
第4章 ベートと王
第5章 詐欺師
第6章 ベートの最後