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著者ディーノ・ブッツァーティ
訳者長野徹
発行2020年01月10日
定価2200円(税抜き)
仕様四六判変形/並製/259頁
ISBN978-4-88588-100-8
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怪物

ブッツァーティ短篇集Ⅲ

幻想と寓意とアイロニーが織り成す未邦訳短篇集第三弾

〈なんてこった! おれたちは入っちまった!……〉謎のメッセージを残し、地球の周りを回りつづける人工衛星の乗組員が見たものとは?……人類に癒しがたい懊悩をもたらした驚愕の発見を語る「一九五八年三月二十四日」、古代エジプト遺跡の発掘現場で起きた奇跡と災厄を描く「ホルム・エル=ハガルを訪れた王」、屋根裏部屋でこの世のものとは思われない、見るもおぞましい生き物に遭遇した家政婦兼家庭教師の娘が底知れぬ不安と疑念にからめとられてゆく「怪物」など、全18篇を収録。

本書を含めて三冊分の短篇群を訳し終えて感じるのは、書かれた時点から半世紀以上が経っている今もなお、ブッツァーティの作品はけっして色あせていないし、古びてもいない、むしろ今の時代を生きる読者にこそ訴えるものがあるのではないかということである。(中略)彼が好んで描く恐怖や不安、あるいは未知なるものへの憧憬も、現代人が抱える孤独や閉塞感、真のコミュニケーションや相互理解の難しさ、近代の合理的な世界観の行き詰まりといったものと無縁ではないだろう。――「訳者あとがき」より

【収録作品】
もったいぶった男
天下無敵
エッフェル塔
テディーボーイズ
一九五八年三月二十四日
可哀そうな子!
偽りの知らせ
ホルム・エル=ハガルを訪れた王
ラブレター
五人の兄弟
最後の血の一滴まで
イニャッツィオ王の奇跡
挑発者
二人の正真正銘の紳士――そのうちのひとりは非業の死を遂げた――への有益な助言
密告者
夕べの小話
流行り病
怪物

【著者紹介】
ディーノ・ブッツァーティ
1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。長篇『タタール人の砂漠』、『ある愛』、短篇集『七人の使者』、『六十物語』などの小説作品のほか、絵とテクストから成る作品として、『シチリアを征服したクマ王国の物語』、『絵物語』、『劇画詩』、『モレル谷の奇蹟』がある。1972年、ミラノで亡くなる。

【訳者紹介】
長野徹
1962年、山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家。児童文学、幻想文学、民話などに関心を寄せる。訳書に、ストラパローラ『愉しき夜』、ブッツァーティ『古森の秘密』『絵物語』、ピウミーニ『逃げてゆく水平線』『ケンタウロスのポロス』、ピッツォルノ『ポリッセーナの冒険』、ソリナス・ドンギ『ジュリエッタ荘の幽霊』など。

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