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著者ディーノ・ブッツァーティ
訳者長野徹
発行2022年12月24日
定価2500円(税抜き)
仕様四六判/並製/219頁
ISBN978-4-88588-109-1
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ババウ

没後50年、追悼出版第二弾――ブッツァーティが編んだ最後の短篇集

  

作家自身が編んだ最後の短篇集『難しい夜』の前半部分26篇を訳出! 三十年の時を経て、ついに全ての収録作品が邦訳される。

ババウを抹殺することは、人間自身の想像力や
空想力を抑圧することをも意味するだろう。
――「訳者あとがき」より


人里離れたアルプスの一角にある療養所で行われている驚くべき安楽死法を語る「誰も信じないだろう」、全人類の滅亡の可能性をS F的な奇想を用いて描く「十月十二日に何が起こる?」、一匹の野良犬の死がきっかけで中国とアメリカの核戦争が勃発する「ブーメラン」、美人コンテストに担ぎ上げられた障害のある少女の絶望が引き起こすカタストロフィ「チェネレントラ」、夢の中に入りこむ夜の巨獣の退治譚「ババウ」など、老いや死、現代社会の孤独や閉塞感といったテーマを、幻想とアイロニーと諧謔を織り交ぜたシンプルな文体で描く26篇。


【著者紹介】
1906年、北イタリアの小都市ベッルーノに生まれる。ミラノ大学卒業後、大手新聞社「コッリエーレ・デッラ・セーラ」に勤め、記者・編集者として活躍するかたわら小説や戯曲を書き、生の不条理な状況や現実世界の背後に潜む神秘や謎を幻想的・寓意的な手法で表現した。現代イタリア文学を代表する作家の一人であると同時に、画才にも恵まれ、絵画作品も数多く残している。長篇『タタール人の砂漠』、短篇集『七人の使者』などの小説作品のほか、絵とテクストから成る作品として『シチリアを征服したクマ王国の物語』などがある。1972年、ミラノで亡くなる。

【訳者紹介】
1962年、山口県生まれ。東京大学文学部卒業。同大学院修了。イタリア政府給費留学生としてパドヴァ大学に留学。イタリア文学研究者・翻訳家。児童文学、幻想文学、民話などに関心を寄せる。訳書に、ストラパローラ『愉しき夜』、ブッツァーティ『古森の秘密』『絵物語』、ピウミーニ『逃げてゆく水平線』『ケンタウロスのポロス』、ピッツォルノ『ポリッセーナの冒険』、ソリナス・ドンギ『ジュリエッタ荘の幽霊』、グエッラ『紙の心』など。