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著者エドゥアルド・メンドサ
訳者柳原孝敦
発行2015年07月10日
定価1900円(税抜き)
仕様四六判変形/並製/231頁
ISBN978-4-88588-085-8
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グルブ消息不明

はじめて出逢う世界のおはなし―スペイン編

2015年「フランツ・カフカ賞」受賞!

  

ミスリーディングとミスマッチをくりだしながら、都市とその住人たちの魅力と矛盾をあぶりだす抱腹絶倒の知的遊戯。読んだらぜひバルセローナへ!(宇野和美氏による推薦文より)


【あらすじ】
特別な任務を帯びてバルセローナにやってきた二人組の宇宙人のひとり「グルブ」が、国民的ポップスターのマルタ・サンチェスの姿をまとったまま行方不明となった。そこでもう一方の宇宙人「私」は、相棒グルブを捜すためにオリバーレス公伯爵やゲーリー・クーパーなどに姿を変え街に出ることにした。やがて老夫婦の経営するバルに通うようになり、人間とふれあい、酒を楽しみ、恋もする……。オリンピック開催直前のバルセローナの活気と混沌をユーモラスに描いたSF風小説。


【著者紹介】
エドゥアルド・メンドサ
1943年、スペイン、バルセローナ生まれ。1975年『サボルタ事件の真相』で作家デビュー。作品は好評を博し、映画化もされた(アントニオ・ドローベ監督、日本未公開)。1979年『地下納骨堂の幽霊の謎』で「名もなき探偵のシリーズ」が始まる。探偵小説のパロディであるこのシリーズは、現在まで4作発表されている。1986年刊行の『奇蹟の都市』はヨーロッパ全土でヒットし、邦訳も存在する(国書刊行会)。1990年、スペインを代表する日刊紙『エル・パイス』に連載された『グルブ消息不明』は特に若い世代に読まれ、メンドサの文名を確固たるものにした。

【訳者紹介】
柳原孝敦
1963年、鹿児島県奄美市出身。東京大学大学院人文社会系研究科准教授。博士(文学)。著書に『ラテンアメリカ主義のレトリック』(エディマン/新宿書房)など。訳書にアレホ・カルペンティエール『春の祭典』(国書刊行会)、ロベルト・ボラーニョ『野生の探偵たち』(共訳、白水社)、セサル・アイラ『わたしの物語』(松籟社)など。