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著者ヴィクター・ラヴァル
訳者藤井光
発行2019年12月2日
定価1800円(税抜き)
仕様四六判変形/並製/169頁
ISBN978-4-88588-099-5
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ブラック・トムのバラード

はじめて出逢う世界のおはなし アメリカ編

シャーリィ・ジャクスン賞、英国幻想文学大賞受賞!

  

相反するすべての思いをこめて、H・P・ラヴクラフトに捧げる――「レッド・フックの恐怖」から90年後、アフリカ系アメリカ人作家ヴィクター・ラヴァルがラヴクラフトの世界を語り直す。


【あらすじ】
1924年、ニューヨーク ハーレムに住むアフリカ系の若者トミー・テスターは、根強い社会的差別のなか自分なりに稼ぐ手段として、街角でギターの弾き語りをするふりをし、その実怪しげな仕事を引き受けている。ある日、ブルックリンにある墓地の前で歌うトミーのもとに、ロバート・サイダムと名乗る白人の老人が、自宅で開くパーティで演奏してくれたら高額な報酬を払うと声をかけてきた。サイダムの狙いは何なのか?……サイダムを捜査するトーマス・マロウン刑事と私立探偵ハワード、父親の死、霊を呼び出す歌、海原の底に眠る王、そして〈至上のアルファベット〉――魔術的な出来事がトミーの人生を大きく変える。


【著者紹介】
ヴィクター・ラヴァル
1972年生。ニューヨークのクイーンズで育つ。コーネル大学を卒業後、コロンビア大学大学院創作科を修了。1999年に短編集slapboxing with jesusでデビューし、以降はホラーや幻想文学の要素を取り込んだ作風を追求していく。2009年発表のBig Machineでシャーリィ・ジャクスン賞(長編小説部門)を受賞、本作『ブラック・トムのバラード』でも同賞(中編小説部門)を獲得。2017年に刊行されたThe Changelingで世界幻想文学大賞(長編小説部門)を受賞。現在はマンハッタン在住。

【訳者紹介】
藤井光
1980年生。同志社大学文学部英文学科教授、翻訳家。北海道大学大学院文学研究科修了。著書に『21世紀×アメリカ小説×翻訳演習』、『ターミナルから荒れ地へ 「アメリカ」なき時代のアメリカ文学』、訳書にテア・オブレヒト『タイガーズ・ワイフ』、アンソニー・ドーア『すべての見えない光』、デニス・ジョンソン『海の乙女の惜しみなさ』、レベッカ・マカーイ『戦時の音楽』、サルバドール・プラセンシア『紙の民』など。