改訂版土方久功伝
著者清水久夫
発行2023年05月16日
定価2500円(税抜き)
仕様四六判/並製/284頁
ISBN978-4-88588-110-7

改訂版 土方久功正伝

「日本のゴーギャン」と呼ばれた男

  

昭和四(一九二九)年三月、二八歳の土方久功は、単身南洋パラオへ渡った。着いて三か月後、南洋庁の嘱託に採用され、島の子供たちが学ぶ公学校で木彫を教えた。その時の教え子は、後にパラオの民芸品「ストーリーボード」を制作し、今日まで受け継がれている。久功は、南洋に一三年間滞在し、島の人々とともに暮らし、「日本のゴーギャン」と呼ばれた。彫刻の制作をするとともに、民族学調査を行った。
久功は、関東大震災の前年から死の五日前まで五五年に渡って日記を書き続けた。膨大な日記からは、自己に忠実に生きようとした姿が伺える。日記は、民族学のフィールドノートとして貴重であるとともに、丸木俊、中島敦との親交についても書かれている。


【著者紹介】
清水久夫
1949年(昭和24)、東京に生まれる。法政大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得。日本学術振興会奨励研究員、法政大学非常勤講師を経て、世田谷区総務部美術館建設準備室学芸員となる。世田谷美術館開館後は、学芸部教育普及課長、資料調査課長等を勤める。元・埼玉大学・法政大学・跡見学園女子大学非常勤講師。